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介護離職、会社を辞めるなら [介護離職]

立つ鳥跡を濁さず
1. 自分にしかできない業務ならマニュアルを作成しておく
2. 辞職通告前から代理作業ができる人を養成しておく
3. 辞職通告してから3営業日ですべての引継作業・撤収作業が完了し、有給休暇消化期間に突入するのが理想形です
4. 辞める時期(月日)は可能なら会社側の意向に合わせる
5. 会社側との話し合いは密に行う
6. 復職の糸口を作る

 会社側から一方的に退職勧奨を受け、異議が無く、法律的にも問題が無いのであれば、その指定期日で退職するだけで十分だと思います。法律的に問題がある解雇処置の場合には、弁護士を雇って対処します。
 一方で、介護離職しないように会社側から仕事の軽減や時短勤務などの優遇処置をとってもらったけれども、最終的に退職することになった場合、会社側の影響も大きいと思います。なるべく会社側の打撃が大きくならないように退社する必要があります。退社後に「あの人は退社前に協力してくれなかった!」などと言われないようにした方が良いからです。
 退職通告の準備には、業務の引き継ぎなどもあり、標準的には数カ月かかると思います。介護離職するなら、体力を温存した状態で介護離職を決めた後も数カ月は会社勤めができる状態を維持する必要があります。
 退職通告した場合、速やかに退職して欲しいと会社上層部が望む場合があります(例:外資系企業)。引き継ぎ作業が十分にできずに退職日を迎えることがないように引き継ぎ書類の作成、業務の多重化など、退職通告前にできることはできるだけ実施しておきます。目安としては、退職通告してから3営業日で引き継ぎ作業を完了して有給休暇消化期間に突入するのが理想です。
 退職通告の日付(Xデー)は、「有給休暇残日数(有給休暇請求予定日数)+4営業日」の日数が経過した時に月末日になるように計算して決定します。辞表は、退職通告後に速やかに作成・提出すれば問題ありません。
 自分が担当している業務の多重化やマニュアルの作成は、退職通告の数カ月以上前に通常業務の中で優先度を上げて実施します。大義として「最近、体調が悪いので、自分が病欠した場合の最低限の対策をしておきます」と上司に伝えて、マニュアルの作成や同僚に仕事の進め方を研修します。実際、介護しながら仕事を続けていると不自然さは無いでしょう。なお、理由は他にも、「自社のコンプライアンスマニュアルに従って」とか「自社の災害対策指針(コンテンジェンシープラン)に基づいて」など拠り所とする規定があれば、そのことを根拠にして最優先作業として実施すれば良いと思います。他に規定が無ければ、「今期の自主達成目標として」(目標管理制度)を利用する方法もあります。
 退職通告はXデー実行日の朝に、定時業務終了時刻の1時間前に30分程度の個人面談として直属の上司に予約しておきます。
 退職通告の際には、最初に退職通告であることを告げた上で、現在の在宅介護の状態、今後の在宅介護の見通し、今後の介護家族者の生活設計などについて概要を簡潔に説明し、”家族介護を主な理由とした退職”であることを明確に通告します。その上で、退職に向けて準備してきた業務の多重化、引き継ぎマニュアルの作成などについて報告し、翌営業日からは、退職に向けての作業(引き継ぎ作業)を主に行うことを通告します。
 会社側から協力を要請されている項目については、できるだけ協力します。ただし、退職日は月末日に調整してもらいます。月末日退社であれば、将来再就職する際に会社との退社が普通に行われたと再就職する会社の方にも認識してもらえるからです。
 介護家族者が会社に勤めながらでも、要介護者の介護がさらに数カ月程度なら可能な状態なら、残業なし、半日休暇(時間単位休暇)あり、降格(減給)なし、などの条件を認めてもらった上でさらに数カ月程度働いても良いと思います。「現在の社内での地位を保全した上で短時間勤務を当面の間(数カ月以上)認める」などの条件が会社側から新たに提示されたのであれば、退職を当面見合わせるのも一案だと思います。最近は介護離職問題が社会問題化してきたので、先進的な経営者が先手を打つ場合があります。提示が好条件なら退職日を先に延ばして在宅介護ができる体制を構築できるか検討するべきだと思います。なお、退職日を延期する場合には、必ず退職金が減額されないことを会社側と合意しておいてください。退職を延期して働き続ける場合、条件面で合意した内容を会社側と合意文書として人事部の正式な書面として受け取る方が望ましいと思います。人事部とも粘り強く交渉してみてください。人事部から正式な合意書面が速やかに受け取れない場合には、退職トラブルに巻き込まれるのを防ぐために(合意できなかったものとして)予定通り退職した方が良いでしょう。
 会社を辞めるにあたっては、介護家族者が再びその会社で働きたいと思っているのなら、介護終了後の復職に関して糸口を作っておくことを勧めます。会社側から確約をもらうことはできないでしょう。しかし、介護終了後に復職の打診の電話くらいならしても良い、と言ってもらえれば、精神的にはかなり楽になると思います。なお、育児・介護休業法第27条によれば、家族介護等により社員が退職する際に、社員本人より、再度就業が可能となった時に元の職場に戻りたい旨の希望を出すことにより、再雇用の可能性を作り出すことができます(努力義務規定)。このため、退職届の退職理由には、「家族の介護のため」と「再度就業が可能となった時に元の職場に復帰希望」と明示(明記)するべきだと思います。
 有給休暇の消化について会社側と合意できるのであれば、できるだけ取得します。介護離職するとお金が必要になるからです。会社側が許可してくれたなら、労働者の権利としてだけでなく温情もあると思います。感謝して有給休暇を消化します。

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介護離職、介護離職の条件 [介護離職]

介護離職はハイリスク
1. 生活費は確保できるか?6年で600万円、たぶんもっと必要です
2. 退職より休職の方が良い場合もある
3. 家族・親族の了解を得られたか?
4. 要介護者は介護家族者として受け入れてくれるのか?
5. 要介護者の介護生活に合わせることができるのか?

 在宅介護で介護家族者が要介護者の息子・娘・婿・嫁である場合、会社勤めやお店などで働いている場合が多いと思います。
 介護離職した場合、介護をする家族が自分の生活費として要介護者である親の年金をあてにしている場合があります。しかし、年金制度の主旨はあくまでも引退した高齢者に対する生活制度です。ですから、これを実の子供といえども直接利用するのは、避けるべきです。介護家族者は、介護期間中の自分の生活費は自分で捻出することになります。その額は、年間100万円から200万円くらいになるはずです。介護が必要になった後、療養型病院や老人ホームなどへのバトンタッチまで6年としても最低600万円、もっと長くなるなら、その分のお金も考えておく必要があります。介護離職しようとする方に養育する必要がある子供がいる場合には、経済的に介護離職はできないことがあると思います。住宅ローンを組んでいる場合も同様だと思います。
 要介護者が病気や怪我で一気に病状が悪化した場合、数カ月程度の余命しかない場合もあります。
 要介護者の健康状態を考慮するなら、要介護者が日帰り旅行に行ける程度の体力がある時が介護離職をする最後のタイミングだと思います。要介護者が日帰り旅行に行くこともできないのなら、介護士や看護師などの専門家に介護全般を一任する方向にするべきだと思います。その理由は、いきなり重い介護を家族が行うのは難しいと考えるからです。深刻な介護状況になる場合には、ケアマネージャーと十分に相談し、訪問看護師やヘルパーを積極的に導入して在宅介護を継続するか、施設介護を検討するべきです。
 また、要介護者がまだまだ元気だと思っていたが、あっという間に亡くなってしまった場合、退職したことを後悔するかもしれません。
 介護離職した場合、それまでのキャリアをすべて捨てることを覚悟し、介護中心の生活(たぶん、数年から10年程度)を受け入れなければなりません。しかも要介護者に対する介護終了と共にまた新しい生活を構築する必要があります。
 最近は、介護休業制度が法制化されたこともあり、取得可能なケースも多いと思います。介護休業制度のある会社に所属していて退職を決断したなら、まずは介護休業届を提出しましょう。在宅介護に取り組んでいる社員に対して、会社側の本音を確認する必要があるからです。勤務形態を変更することで働き続けることができる場合には、会社側(人事部・総務部)と十分に相談(交渉)するべきだと思います。
退職する場合でも、退職前に復職可能な条件を会社とあらかじめ交渉しておくことを勧めます。介護離職3〜4年経過程度であれば、長年勤務した会社に復職する方が企業にも復職する人にもメリットが十分にあると思います。介護終了と共に会社側に打診して復職するための道筋を作っておきます。復職の約束(契約)はできないにしても検討の余地ぐらいは残してもえると離職の精神的な負担を軽くできます。可能性は小さくても希望が持てる状態を作ります。
 介護離職するなら、要介護者と親族にも事前に介護離職の了解をもらっておきます。決意を表明した上でなければ、このような行動は控えるべきだからです。
 介護離職するかどうか悩んでいるなら、夜眠れないようなら、まだ介護離職すべき段階ではありません。介護離職以外の他の方法を模索すべきです。
 介護離職すると、昼間、要介護者の生活リズムに合わせて生活することになるので、ご近所の視線が気になるかもしれません。ご近所の方と信頼関係ができた頃に、ご近所さんにも「いやー、介護離職しました。」と言えば、退職したことを悩まなくて済むようになるでしょう。
 介護離職するなら、在宅で仕事を始めることも並行して考えるべきでしょう。なぜなら、ホテルに泊まった時や警官に「ご職業は?」と聞かれた時に「無職」と答えるか「自営業です」と答えるかは、全然違いますから。また、介護離職しても介護家族者は、一日中つきっきりで介護をしているわけではありません。介護の空いた時間を介護家族者が自分や他の家族のために、どのように使うかは介護家族者の生活を維持する上で非常に重要です。

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介護離職、社内規則・社内制度を活用する [介護離職]

従業員の立場なら
1. 社則を取り寄せて条文の中から、介護・時短勤務・在宅勤務・休職・退職に関する規定を確認する
2. 社内制度・厚生制度を調べてみる
3. 相談窓口があれば、相談する
4. 労働組合が機能していれば、労働組合で相談してみる

 在宅介護を続けながら、従業員(会社勤め)を続けるのであれば、早い段階で就業先の規則の下調べをしておきます。
 就業規則(従業員規則)は法律により従業員はいつでも閲覧が可能なはずですので、まずは就業規則を入手します。そして仕事を続けながら在宅介護を続ける場合、時短勤務になる場合、休職する場合、退職する場合、それぞれどのような条文が適用されるかを知っておきます。会社側が在宅介護をしていることを知った時にどのような行動を起こすかは、この就業規則の条文を知っていれば、かなり予測ができます。また、就業規則を無視して強硬な要求を会社側がしてきた場合に就業規則を根拠にある程度、防御することができます。
 なお、就業規則が閲覧できない場合、会社側は介護離職に対して否定的な姿勢と推測できます。会社側に介護していることを伝えるのは、介護離職を決断し、すべての準備が整ってからにするべきでしょう。介護休暇(休業)制度が存在していても使用した例(実績)が無い場合や実績(数)が公表されていない場合も用心するべきだと思います。形式的に体裁だけを整えている場合、会社側の介護に対しての認識が非常に低いことが予想されます。
 部署移動を伴うことになると思いますが、時短勤務や在宅勤務の規定がある会社なら、その勤務が適用される部署への配置転換を申し出ることを検討するのも一案です。退社はあくまでも最後の手段であり、会社員の地位を維持できるのであれば、仕事の内容が大きく変わったとしても会社に所属したままの方が有利なこと(給与、社会保障、社会的地位)もたくさんあります。
 次に社内制度・厚生制度の中に介護を支援するようなものがあれば、活用するようにします。最近制定されたばかりの制度の場合、初ケースとなるかもしれません。その場合には制度を作った部署(人事総務)の人たちと協力して活用していけば担当部署からも感謝されるでしょう。
 ある程度の規模の会社なら相談窓口が色々と用意されているケースもあると思います。上長への相談のタイミングと連動する形で相談窓口も活用します。
 各種制度を活用することで仕事の軽減が実現した時に、その軽減された仕事を誰が背負うことになったかについても配慮する必要があります。在宅介護をしながら働き続けるのであれば、徐々に介護家族者の協力者を社内にも増やしていく必要があります。介護家族者の仕事を軽減してもらった結果、同僚の作業負担が増えるケースも多いと思います。負担の増えた同僚に対しては、言葉にして感謝の気持ちを伝えましょう。

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介護離職、仕事を継続しながら介護 [介護離職]

仕事を続けるなら
1. 実務的な介護作業の大部分は介護業者に委託する
2. 介護レベルが要介護者の不満が爆発しない程度なら容認する
3. ITを駆使して遠隔から監視、確認する
4. 働いている会社の上長に報告して会社内に協力者を作る
5. 仕事の優先度をある程度下げる
6. 介護家族者は自らの体調管理を厳格に行う

 要介護者の介護を介護家族者が仕事を続けながら行うことは非常に困難な状態になることが多いです。
 例えば、会社員の場合、朝8時前に家を出て、残業がない状態でも午後6時に帰宅できればかなり早い方ではないかと思います。残業があったり、通勤時間が長い場合には拘束時間がもっと長くなります。そしてその間の要介護者の生活を介護家族者が見守るのは事実上不可能でしょう。出社前・帰宅後は、調理・洗濯・掃除・投薬管理・書類手続きなどの処理を一気呵成で片付けなければなりません。このため、介護家族者の寝る時間がかなり制約されます。要介護者の要介護度によっては、要介護者にもかなりのストレスが蓄積し、爆発する可能性もあります。要介護者に介護家族者の置かれている厳しい状況(環境)を理解してもらうことは難しいでしょう。
 仕事を継続しながら介護を行うなら、かなり思い切って介護業者に委託します。また、介護保険ではカバーできない部分は、ホームヘルパーの活用を検討します。いずれの場合も出費がかなりの金額になる可能性があります。どこまでを依頼するかをケアマネージャーとよく相談して下さい。なお、介護サービスのレベルについては、利用者側からの条件を厳しくすると担い手(介護会社)がいなくなるので注意が必要です。
 要介護者にも協力してもらう必要があります。例えば、一人で外出することが危険な場合、絶対に一人では外出しないように約束してもらう必要があります。また、デイサービスの場合、送迎時間が決まっていることが多いです。そのため時間厳守で要介護者のスケジュールを組み立てる必要があります。
 在宅中の要介護者の状態を把握するための監視サービスが最近は色々とあります。プライバシーとの兼ね合いがありますので、要介護者の了解を得ながら、必要性の範囲で使用を検討して下さい。警備会社のサービスを利用すると緊急時の駆けつけもしてくれます。ただし、それなりに料金がかかります。警備会社の具体的なサービスについて要介護者の理解が得られてから実施するようにして下さい。
 働いている会社側と調整しなくてもできることを全てやったけれども、これ以上は会社の拘束時間を制限しないと在宅介護がうまく回らないと感じるようになったら、まずは上長に相談して仕事量の調整を始めます。上長と相談したけれども上長の理解が得られない場合には、さらに上席に当たる執行役や経営者(取締役、社長)と相談するようにします。この段階では、在宅介護を開始していることを会社側に認識してもらう必要があります。そのため、いずれかの役職者の方に介護家族者の味方になってもらう必要があります。交渉は、粘り強く続けます。介護離職した後の在宅介護には、各方面の専門家に対する粘り強い交渉力が求められます。クビになることも辞さないのであれば、罵声を浴びても、脅されても、途中で投げ出さずに根気よく会社側と交渉を続けてください。
 在宅介護による負担が重くなってきたら、仕事を減らすことを会社に申し出ることを考えなければならなくなります。仕事の軽減が難しいようならば、在宅介護を諦めるべきかもしれません(老人ホーム等への入所)。
 仕事を続けながら在宅介護をする場合の最大のリスクは介護家族者の疲労が蓄積し、ノイローゼや病気
で倒れてしまうことです。介護家族者は自分自身の健康状態を厳重に管理し、体調が非常に悪いと認識したなら、速やかに仕事か在宅介護のどちらかを大幅に軽減するような対策を実施しなければなりません。

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生活介護、自宅で最期を迎えたい [生活介護]

現在の日本の医療、救命制度では
1. 要介護者に在宅かかりつけ医が配置されていて、在宅かかりつけ医が要介護者の自宅に急行し、自然死を確認した時はその場で死亡診断される
2. 救急隊が到着した時、要介護者が自宅で生存状態なら、救急病院に必ず搬送される
3. 自宅で既に死亡している場合には、警察官による調べと行政解剖(または司法解剖)が行われる

 自宅で老後を過ごす高齢者の多くは、「自宅で最期を迎えたい」と思っている方が多いようです。 私の父が書いた書籍によれば、昭和10年代(つまり現在の高齢者の若い頃、生まれた頃)は、医者にかかるのは死んだ時ぐらいで、死亡確認のために医者が自宅まで来てくれたようです。まだ、救急車も救急病院も十分に整備されていない頃の話です。
 厚生労働省の人口動態調査(統計情報部 平成26年人口動態集計)によれば、1951年の在宅死は82.5%あり、病院死(診療所を含む)は11.7%でした。一方、2014年の在宅死は12.8%です。在宅死に老人ホーム・介護老人保健施設などを合わせても20.6%です。これに対して病院死(診療所を含む)は77.3%になります。
 現在、都市部に居住している場合、生存状態なら必ず救急病院に搬送されます。搬送拒否できるのは、在宅医療を受けている在宅かかりつけ医がいる病人(要介護者)だけでしょう。 
 自宅で死亡した場合もその状態で死亡診断書が出せるのは、在宅かかりつけ医がいる場合だけです。それ以外の場合には、必ず一旦病院などに行き、警察官による調べと行政解剖または司法解剖が行われることになっています。
 在宅かかりつけ医のいる要介護者の場合には、急変時に在宅かかりつけ医に連絡します。
 在宅かかりつけ医のいない要介護者の場合には、生死に関わらず、まず119番通報をして対応について判断を仰ぎ、死亡している場合には110番通報することになるでしょう。

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生活介護、ブラックアウト時間を意識する [生活介護]

在宅介護は病院や老人ホームではない
1. 介護家族者も睡眠や休憩が必要です
2. 要介護者が一人でいる時に状態が急変することもある
3. どの時間帯が比較的安全な時間帯になるかは、要介護者により異なる
4. ブラックアウト時間として割り切る
5. どんな急報装置も気休めと思った方が良い
6. どうしても手厚く対応するなら4人体制にする

 在宅介護は、病院や老人ホームと決定的に異なる部分があります。それは、要介護者を24時間監視・管理することはできないことです。
 介護家族者も休息を取る必要があります。ですから、実質的に介護・生活支援に投入できる時間は一日につき10時間ぐらいが限界だと思います(緊急事態の場合には起床中の全時間)。
 介護家族者も食事・トイレ入浴などの社会生活が必要です。そして睡眠は最も重要です。
 睡眠中、介護はできません。要介護者に何か急変があったとしても呼び出し音が鳴らない場合には気がつかないことになります。他にも要介護者を在宅にしたまま買い物に行ったり、庭の水撒きをしたり、掃除をしたり、と雑事をしている時にも要介護者の監視はできないでしょう。
 ここでブラックアウトとは、その時間帯は実質的に介護を行わない(できない)時間帯を指します。
 私は、警戒すべき時間帯とそうでない時間帯に分けるようにしていました。例えば、午前中のリハビリ訓練から帰ってきた後の午後は安定した状態になっていることがほとんどでした。そこで、昼食後から夕方までの時間帯は、ブラックアウト時間帯にしていました。
 ブラックアウト時間帯は、雑事(生活支援作業)を処理したり、介護家族者が休憩(例:昼寝)を取るために使います。
 警報装置や呼び出し装置などは設置可能なら設置するべきです。日常生活の上でも重要ですので、要介護者が使い易いものを選びます。ただし、要介護者が警報装置を起動させる前に意識を失うこともあることを想定しておくべきでしょう。
 一人で要介護者の介護を行う場合には、メリハリを付けて重点的に警戒すべき時間帯とそうでない時間帯を設けると介護家族者の負担をコントロールできます。
 重点的に警戒するべき時間帯は、要介護者の状態により変化します。例えば、私の母の場合、警戒するべき時間帯としては、起床から朝食終了まで、夕食時から就寝時まで、母が体調不良をほのめかした時、でした。
 体調が変化して、例えば、夜中にトイレに行った方が良い場合には、その前後の時間帯も警戒するべき時間帯とします。
 要介護度が高くなってくると、この警戒するべき時間帯がどんどん長くなっていきます。介護家族者が一人で警戒することに限界を感じたら、速やかにケアマネージャーと相談してホームヘルパー・介護士による訪問介護やショートステイの追加を検討するべきでしょう。
 高齢者の場合、就寝中に心臓発作により亡くなり、翌朝発見されることもあります。在宅介護の場合、このリスクを回避することは不可能です。在宅介護を行う家族だけでなく、親族・親戚とも事前に話をしておきます。
 最後に在宅介護で隙間なく監視体制を作ろうとすれば、4人必要になるでしょう。この4人の根拠は、交番勤務で最低限のシフト体制を組む場合の数字だからです。実際、会社や銀行のコンピュータ監視のための24時間体制の場合も4チームで回すことはよくあります。

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生活介護、自転車を止めてもらう方法 [生活介護]

介護者の理解が得られる方法を準備してから
1. 代替手段を準備する(例:家族の自動車による輸送サービス)
2. 生活パターンを自転車が無くても困らない状態に移行する
3. 自転車を運転できない健康状態であることを要介護者に認識してもらう
4. 話し合いを続けて、自転車に乗ることを諦めてもらう

 要介護者が自転車に乗り続けている場合、どこかで使用を止めてもらわないと怪我をして入院するまで乗り続けます。しかも病院から退院したら再び乗り始めるでしょう。
 自転車は機動力があり、数キロ先のスーパーまで行くことも簡単です。しかも重い荷物を積んでも移動時間が短くて済みます。もしも徒歩で同じことをやったら、荷物の重さと歩く距離の長さに要介護者もすぐにヘトヘトになってしまいます。
 自転車の使用を止めてもらうためには、まずは代替手段を提供する必要があります。例えば、買い物に使っているのであれば、お店までの移動手段と買った物の運搬手段を提供する必要があります。他の事柄に関しても、自転車を使わなくても生活ができることを要介護者に理解してもらえる準備を進めます。
 自転車を使わない生活スタイルの準備ができたら、要介護者に対する説得を開始します。まず、要介護者に自分自身の健康状態を認識してもらう必要があります。自転車をこぐ力が低下していたり、まっすぐに走れずにヨロヨロしているなら、カメラ動画撮影して本人に見てもらいます。客観的に危険であることを要介護者に伝えて、本人が納得するまで話し合いを続けることになります。
 この処置は、結果的に要介護者の活動範囲を狭めることになります。要介護者の落胆も大きいので対応は慎重に行ってください。
 要介護者からすると移動手段を奪われることになるので、自転車に乗る権利を死守しようとします。介護家族者としては、骨折を繰り返せば在宅介護ができなくなる点を強調して説得する必要があります。
 自転車の運転を諦めた後もしばらくの間は、要介護者の生活に問題が発生していないかを慎重に確認してください。要介護者が自転車がどうしても必要だと感じると、再び自転車を使うようになる危険があります。

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生活介護、怒る必要が無い [生活介護]

介護者がどうしても言うことを聞いてくれない
1. ダメな理由をできるだけ噛み砕いて説明する
2. 安全に関わる場合には安全確保のための行動・行動抑止を行う
3. 安全確保のために大声を出すことはある
4. あくまでも冷静に事態の収拾を図る

 要介護者が無茶な行動をとることがたまに発生します。例えば、歩くのが難しいのに無理にでも歩こうとしたり、階段を昇降する体力がないのに階段を登ろうとしたりします。要介護者は、自分の体力低下や認識力の低下を忘れてしまうのかもしれません。
 介護家族者としては、ハラハラするような場面もありますが、基本的に怒る必要はありません。まずは安全確保の作業を行い、安全な状態になってから諭すようにやってはいけないことを要介護者に説明します。
 怒ってはいけない理由は、怒りは相手に感染するからです。特に要介護者が怒った場合、血圧が上昇し、脈拍が速くなり、最悪の場合、容態が急変します。安全確保のために大声で規制を行うことは効果があるならやるべきです。しかし、その場合にも感情は抑え、冷静さ(冷徹さ)を維持する必要があります。
 要介護者が怒っている場合にも冷静に安全上必要なことを淡々と説明します。
 他のことに興味を向けさせることができるなら、他のことに話題を切り替えるようにして事態を収拾しても良いです。
 介護家族者も要介護者の要求のうち、譲歩可能な事柄はできるだけ譲歩します。しかし、安全が確保できない場合には要介護者に諦めてもらうことになります。

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生活介護、一人で外出しない [生活介護]

介護者に守ってもらう項目
1. 家の外は海と同じです。だから一人で外に出ないで下さい
2. 外出時には必ず付き添いますので、呼んでください
3. 一人で外出しても途中で歩けなくなって、帰って来れなくなります

 要介護者が一人で外出したがるのは、普通のことです。しかし、要介護者の単独外出を認めてしまうと途中で体力が無くなって、路上で遭難することになります。特に夏場や冬場では命に関わる事態になります。
 私は、母に対して色々な言葉で一人で外出しないように伝えていました。その中で一番効果があったのは、次の表現でした。
「家の外は海と同じです。泳いでいくのは簡単ですが、そのまま戻ってこれなくなって遭難します。だから一人で外に出ないで下さい」
 この表現を使うと、”東京住宅地の中なのにおかしい”と思うのか、母はよく笑っていました。しかし、一人で外出はしなくなりました。
 自己判断能力が低くなった要介護者の場合には、この方法は使えないと思います。一方、自己判断能力が高い要介護者の場合には、理解できる言葉によって了解を求めるようにして下さい。この方法がうまくいけば、監視カメラやGPSを使用しなければならない場面が激減するでしょう。

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生活介護、脳機能の確認 [生活介護]

簡易チェック法を試す
1. 時計盤から現在、何時何分かを尋ねる
2. 本日の年月日や曜日を尋ねる
3. 氏名、住所、電話番号を言ってもらう
4. 3つの小物を見せて、一旦隠して、1分後に3つの小物の名前を言ってもらう
5. 前日の夕食の献立を尋ねる
6. 最近のニュースを挙げてもらう

 要介護者が協力してくれるなら、今日の年月日や氏名、住所、電話番号を確認する作業を毎日実施することは重要です。
 高齢になると、今日の年月日を意識することがだんだん薄くなっていく場合があります。そこで毎日、朝起きてきたら、本日の年月日を思い出してもらいます。そして、今日のスケジュールも思い出してもらいます。
 本人の氏名・住所・電話番号を確認するのは、もしも一人で外出してしまった場合、保護された時の連絡手段を確保するためです。
 なお、この時に介護家族者の名前や親族の名前も出てくるか確認しておきます。
 記憶力の低下状況は、他にも前日の献立や最近のニュースなどについて尋ねれば、大体の状況を把握することができます。日頃、診察の時と大きく変化していなければ問題ありませんが、記憶力が大幅に低下した場合には、次回の診察の際に担当医師に報告します。

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